慢性的な頭痛に悩まされている方は本当に多いですよね。
痛みで仕事や家事が手につかない日もあるかもしれません。
頭痛が起きた時、「いつものことだから」と我慢してしまう方もいるのではないでしょうか。
しかし、そのつらい頭痛を和らげ、適切な治療を受けるためには、自分の頭痛の傾向を正確に知ることが極めて大切です。
そこで活躍するのが「頭痛ダイアリー」です。
頭痛ダイアリーは、頭痛のタイプを判断したり、適切な薬を選ぶために、医師が利用を強く推奨する重要な記録ツールです。
この記事では、「頭痛ダイアリーが市販でどこに売っているのか」という皆さんの疑問に答えつつ、ダイソーやセリアといった100円均一ショップでの取り扱い状況、さらには無料で手に入れる方法まで詳しく解説していきます。
あなたにぴったりの頭痛ダイアリーを見つけて、つらい頭痛のコントロールを今日から始めましょう。
頭痛ダイアリーの重要性：なぜ記録が必要なのか？
頭痛ダイアリーの目的は、患者様の情報をできる限り効率良く医師に伝え、頭痛診療をアシストすることにあります。
頭痛外来での診療においても、この記録は欠かせない大切なアイテムだとされています。
診察の質を高める「三種の神器」の一つ
最近の頭痛診療は、非常に大きな転換期を迎えています。
最新の診断や治療戦略を効果的に進めるために、「国際頭痛分類（ICHD-3）」「頭痛の診療ガイドライン2021」、そして「頭痛ダイアリー」の3つが「三種の神器」として活用されています。
特に問診だけでは正確な把握が難しい頭痛の強度や随伴症状といった具体的な情報を、頭痛ダイアリーから得ることができます。
これにより、問診だけでは診断がつかなかった症例の診断が可能になるという利点も報告されています。
記録で明らかになるあなたの頭痛の傾向
頭痛ダイアリーに記録を続けることで、患者様自身が自分の頭痛を客観的に把握できるようになります。
頭痛の特徴や誘発要因（トリガー）、さらには生活への影響を適切に把握することは、頭痛をコントロールするための第一歩です。
具体的に頭痛ダイアリーにはどのような項目を記録するのでしょうか。
一例として、記録が推奨される項目をまとめました。
- 頭痛が起こった日時と頻度、そして持続時間。
- 痛みの性状（ズキズキする脈打つ痛み、締め付けられるような重い痛みなど）。
- 痛みの強度（軽度、中程度、重度など）。
- 吐き気や嘔吐、光や音、においに敏感になるなどの随伴症状。
- 頭痛の誘因（ストレス、睡眠の過不足、天候の変化、月経など）。
- 使用した薬物の名称と量、そしてその効果（効いた、効かなかったなど）。
- 日常生活への支障度（仕事や家事、学校などの能率低下の程度）。
女性の場合、頭痛が月経周期に関連して生じることが少なくありません。
頭痛ダイアリーには月経の期間を記入する欄もあり、患者様自身も頭痛と月経周期の関係を明確にできることがあります。
薬の飲みすぎ（薬物乱用頭痛）を防ぐための必需品
記録は、薬の飲みすぎを防ぐためにも非常に重要です。
鎮痛薬を頻繁に使用していると、頭痛が慢性化する「薬物の使用過多による頭痛」（薬物乱用頭痛）を引き起こす可能性があります。
特に複合鎮痛薬（市販の鎮痛薬に多い）は、ひと月に10日以上服用すると薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があるとされています。
頭痛ダイアリーを活用して服薬日数を確認することは、こうした状態を早期に発見し、治療方針を立てる上で欠かせません。
「ダイソー」「セリア」など100均での販売状況を徹底調査！
「手軽に始めたいから、まずはダイソーやセリアなどの100円均一ショップで手に入れたい！」と考える方は多いでしょう。
頭痛ダイアリーは100均には売っていない？
私の方で大手100円均一ショップ（セリア、ダイソー、キャンドゥ）の販売状況を調査しましたが、残念ながら頭痛ダイアリー専用の商品は見つかりませんでした。
ロフトや東急ハンズ、ドラッグストアなどの実店舗でも、頭痛ダイアリーを専門的に取り扱っている情報は確認できませんでした。
確かに、同じような健康管理ノートとして、血圧手帳であればセリアやダイソーで取り扱いがあるケースが報告されています。
ダイソーには血圧値だけでなく、体重や服薬、運動などもまとめて記録できる「けんこうノート」シリーズがあり、血圧記入欄が新設されているなど、健康管理ノートとしては充実しています。
しかし、頭痛ダイアリーの場合、頭痛の症状や誘因、服薬後の効果（効いた/効かなかった）など、専門的な項目が必要です。
そのため、市販のノートで代用するにしても、罫線ノートなどを自分でカスタマイズするか、次に紹介する「無料ダウンロード」版を使うのが現実的な選択肢となります。
100均ノートで代用するなら「自作」がおすすめ
もし、手軽に手書きの紙媒体で記録したいけれど、専用品が見つからない場合は、100均で販売されているシンプルで持ち運びやすいノート（A6サイズなど）を購入し、自分で記録フォーマットを作るのがおすすめです。
具体的な記録項目は前述した通りですが、特に「頭痛の程度」と「飲んだ薬とその効果」は必ず記録するようにしましょう。
100均ノートは「書きやすさ」や「続けられるコスパ」が魅力で、医師への提示用として十分機能するカスタマイズが可能です。
頭痛ダイアリーを確実に手に入れる3つの方法
市販の実店舗での販売情報が少ない頭痛ダイアリーですが、手に入れる方法は確立されています。
確実に専用品を手に入れたい、あるいは無料で始めたいという方のために、主な入手方法を3つご紹介します。
確実なのは「Amazon」「楽天」などのオンライン通販
実店舗での販売が見つからなかった一方、Amazonや楽天市場といった主要なオンライン通販サイトでは、頭痛ダイアリーが多数販売されています。
オンラインで購入する最大のメリットは、豊富な選択肢の中から、自分の好みに合ったデザインや機能を持つダイアリーを選べる点です。
特に人気の商品には、「CHILL GARDEN 頭痛記録ダイアリー」があります。
このダイアリーは、A5サイズで持ち運びしやすく、3カ月分の記録が可能で、つらい時でも簡単に記録できるチェック方式が採用されています。
- オンライン通販なら、自宅にいながら複数の商品を比較検討できます。
- 「CHILL GARDEN」のように、A5サイズで携帯性に優れた商品が多く見られます。
- 価格は数百円〜千円台と手頃なものが中心です。
通販なら確実に手に入るため、「今すぐ始めたい」「デザインにもこだわりたい」という方には最適な方法と言えるでしょう。
費用ゼロで始められる「無料PDFダウンロード」
「まずは無料で試してみたい」という方には、医療機関や製薬会社、学会のWebサイトで提供されている無料のPDFテンプレートを利用する方法がおすすめです。
頭痛ダイアリーは医学的な知見に基づいて作成されているため、専門機関が提供するテンプレートは非常に信頼性が高い情報源と言えます。
例えば、大塚製薬の「頭痛の悩み.jp」では、「頭痛ダイアリー（簡易版）PDF」と「頭痛ダイアリー（詳細版）PDF」が無料でダウンロード提供されています。
簡易版は1カ月分の状況を記録でき、頭痛の程度やお薬の服用の有無などを残すことで、頭痛の特徴を知るのに役立ちます。
また、日本頭痛学会のWebサイトからもダウンロードできるとの情報もあります。
これらをダウンロードして、100円均一ショップで購入したノートに貼り付けたり、自宅やコンビニで印刷したりすることで、すぐに頭痛管理を始めることができます。
記録の手間を省く最強ツール「スマホアプリ」
紙の手帳だと「書き忘れが多い」「持ち歩くのが面倒」という方には、スマートフォンアプリで代用するのがおすすめです。
スマホアプリの最大の利点は、自動でグラフ化や傾向分析を行ってくれる点です。
また、紙媒体の手帳にはない、アプリならではの非常に便利な機能があります。
- **「頭痛ーる」**：気圧予報で体調管理を行う気象病対策アプリです。
記録時の天候や気圧も自動で記録されるため、どんな時に痛くなりやすいか傾向がつかめます。
60万人以上が利用し、痛み・服薬記録を10回つけると痛みの傾向を分析してくれます。 - **「シンプル頭痛記録 – ミグル」**：複雑な機能が苦手な方におすすめの、シンプルでサクサク入力できるアプリです。
頭痛の強さや原因（人混み、ストレス、低気圧など）をタグから簡単に選択して記録できます。
アプリで記録しておけば、診察時にもスマートフォンを見せるだけで医師に正確な情報を伝えることができるため、非常に便利です。
紙の手帳が続かないと感じる方は、通知機能などで記録忘れを防げるアプリから試してみるのも良い方法です。
紙の手帳？アプリ？自分に合ったダイアリーを選ぶ視点
頭痛ダイアリーの記録は、何よりも「続けること」が大切です。
紙の手帳、アプリ、どちらにも一長一短がありますから、ご自身のライフスタイルや性格に合わせて選ぶことが、継続の秘訣です。
紙の手帳のメリット・デメリット
紙の手帳、特に通販で手に入る専用品は、頭痛管理に必要な項目がすでに用意されているため、記録漏れを防げます。
- **メリット**：直感的に書き込める、医師にそのまま渡しやすい（複写式の手帳もある）、電池切れの心配がない、書き込みによる達成感が得やすい。
- **デメリット**：持ち運びが必要、自分で傾向を分析する必要がある、記録し忘れると遡って書きにくい。
でも、頭が痛い時って文字を書くのもつらいんだよね…。
頭痛の記録は、毎日欠かさず完璧に書く必要はありません。
須佐クリニックの先生も、忙しい時は「内服記録だけでも書くように」とアドバイスされているように、無理のないペースで、できる範囲で続けていくのが大切です。
また、「CHILL GARDEN」のように、記入が簡単なチェック方式を採用している商品を選ぶと、つらい日でも負担が少なくなります。
スマホアプリのメリット・デメリット
スマホアプリは、現代の忙しい私たちにとって非常に強力な味方になってくれます。
- **メリット**：気圧や天候と痛みの関連を自動で記録・分析してくれる、グラフ化で傾向が「見える化」される、持ち歩きが容易、通知機能で記録忘れを防げる。
- **デメリット**：操作が複雑だと頭痛時に負担になる（「ミグル」のようにシンプル設計が人気な理由）、高齢者などデジタル操作に慣れていない方には不向き。
特にアプリの「頭痛ーる」のように、気圧の変化を予測して事前に注意喚起してくれる機能は、気象病による頭痛対策として非常に有効です。
自分の体調とテクノロジーを組み合わせて管理したい方には、アプリが最適でしょう。
頭痛ダイアリーの記録を最大限に活かすコツ
頭痛ダイアリーをつけ始めたら、次に大切なのはその記録をどのように「活かすか」です。
ただの日記帳で終わらせずに、あなたの健康管理に直結させるためのコツを私なりの考えも含めてお伝えします。
意識すべき記録項目と服薬指導
記録は医師に正確に伝えるための「羅針盤」です。
特に重要なのは「薬の効果」の記録です。
須佐クリニックの資料によると、薬が効いたら「○」、効かなかったら「×」、はっきりしない時は「△」と記入することが推奨されています。
また、薬の頭文字を略称で記入することで、服用回数を正確に把握できます。
なぜなら、薬を飲むタイミングや種類が適切かどうかを判断する材料になるからです。
トリプタン系薬剤（片頭痛治療薬）は、発作発症から1時間以内といった早期の軽症時に服用すると効果的であるため、服薬タイミングの確認は重要です。
また、前述したように、鎮痛薬の使用頻度が月10日や15日を超えていないかを確認し、薬物乱用頭痛のリスクを常にモニターしなければなりません。
記録を振り返り、生活習慣を見直す
頭痛ダイアリーを数カ月続けると、「頭痛になりやすいパターン」が見えてきます。
- 「週末の解放ストレス」による頭痛が多いか。
- 「食事を抜いた空腹時」に頭痛が起こりやすいか。
- 「睡眠不足」や「寝過ぎ」が誘因になっていないか。
頭痛を引き起こす誘発因子を特定し、それを避けるような生活指導を行うことは、薬物療法と同じくらい重要です。
自己の頭痛の原因を知ることで、早めに対策が取れるようになり、頭痛コントロールの精度が向上します。
また、頭痛の記録だけでなく、頭痛による「生活の支障度」をしっかり確認することが、治療効果を判定する上で重要です。
頭痛の頻度が少なくても、生活への支障が大きい患者様は多く存在するためです。
まとめ：今日から始める頭痛対策のすすめ
頭痛ダイアリーは、頭痛に悩む方々にとって、医師とのコミュニケーションを円滑にし、より効果的な治療へとつなげるための強力なツールです。
今回の調査で、頭痛ダイアリーはダイソーやセリアなどの100円均一ショップでは専用品として販売されておらず、実店舗での入手は難しいことがわかりました。
- 確実に手に入れるならオンライン通販：Amazonや楽天などで「CHILL GARDEN」のような使いやすい専用手帳が購入できます。
- 無料で始めるならダウンロード：大塚製薬などの医療関連WebサイトからPDFを印刷して利用可能です。
- 手軽に続けるならアプリ：「頭痛ーる」や「ミグル」などのスマホアプリが、記録や分析の手間を大幅に削減してくれます。
自分の頭痛の傾向を知り、弱点を見つけることが、頭痛克服への第一歩です。
あなたにとって最も継続しやすい方法で頭痛ダイアリーを始め、つらい頭痛に負けない毎日を取り戻しましょう。
もし記録を続けてみて、頻度が多い、あるいは薬が効かなくなってきたと感じたら、自己判断で薬を飲み続けずに、早めに医師に相談することが重要です。
その時、あなたが続けた頭痛ダイアリーの記録が、きっと医師との会話をスムーズにし、適切な治療選択へと導いてくれるはずです。
